戦略の本質とは!!??2007/03/08 11:40

野中郁次郎他『戦略の本質-歴史に学ぶ逆転のリーダーシップ-』日本経済新聞社

久しぶりの書評だな。
この本は、確か日本を出る前にふらりと入った虎ノ門の書店で沢山の本を衝動買いした中の一冊だったと思う。
はるばるコロンビアまで旅行してきたことになる。

本書は、戦略が明確に出る戦争、しかも”逆転”を成し遂げた戦史を解きながら、戦略とは何か、戦略の本質をなす10の命題を提示している。
戦史、リーダーシップ論、戦略論などに興味のある方にお薦めの本です。

それぞれの局面でリーダーは何をして、何をしなかったのか。戦略の本質はどこにあるのかを解き明かしてゆく。
舞台は太平洋戦争以降の近代戦争が中心だが、本書で出てくる戦略の本質に掛かる10の命題は戦場のみならず、企業、政治などにも共通するものだ。

本書の帯には『戦後60年の戦略不在に終止符を打つ!』と書かれているが大げさではなく、十分に政治の世界で利用ができる。そもそも、戦争は政治の一部であるのだから。

大学時代に経営学部で企業戦略・リーダーシップ論などをかじったが、久しぶりにこの手の本を読んで再び、勉学の面白さを感じた。

引き続き、このような書籍を読んで行きたい。

海軍名語録2007/03/24 23:05

吉田俊雄『海軍名語録』文春文庫

当国の日本人学校のバザーで、中古本として購入した一冊。
この、吉田さんの本を読むのはたぶん初めてだろう。
戦後60年を超えて、戦争体験者がどんどんこの世を去っていく中で貴重な著者の一人である。

本書は、大日本帝国海軍の将官、佐官等の将校の言葉を引用しつつ昭和の海軍がどのような気質、文化だったのかを解き明かす。
開国から明治期の海軍と昭和の海軍の比較などはとても興味深い。

人の言葉を通して海軍を読み解いていくので、とても人間味のある海軍の一面を知ることが出来る。

著者の他の本も読みたくなる。

この船はどこへ進む!?2007/03/25 08:55

海外に住んでいると、日本のニュースが日本にいるときとは違って見えることがある。

小泉政権から始まった変な構造改革。

日本の公的部門が大幅な切り込みを受け、福祉の予算も削減されているようだ。
この影響を受け、ODA予算なども減っていて我が社も大きな影響を受けている。
公的部門の無駄な予算は削減するべきだが、日本としてどのような国家像をもち、どのような未来に向かっていくのか明確なビジョンが見えない。

これは、我が社も同じでどのようなビジョンを持ってどこへ向かうのかが見えてこない。
これは、日本の公的機関はみな同じではないのではないだろうか。

予算削減=無駄の削除=これまでやってきたことは無駄だった

というような感じで、モチベーションも落ちて元気が無くなっているのではないか。
「美しい国」などというわかりにくいものでは無く、もっと具体的な日本の将来像を政治化には示してもらいたい。
そして、明確なビジョンに対し、1票を行使していきたい。