ウェンカムイとヒグマ2010/02/05 23:46

熊谷達也『ウェンカムイの爪』集英社文庫

また、熊谷達也を読んだ。
このウェンカムイもとても良い作品だ。
一気に引き込まれて読んでしまった。

舞台は北海道。
ヒグマ、アイヌ、大自然。
それぞれがテンポ良く進んで行きます。

つぎは、『漂泊の牙』を読みたい!!!

日本の村と都市2010/02/06 11:37

山下惣一『日本の”村”再考』現代教養文庫

農村から専業農家が見た、農政の問題、農村部の現実を書いたノンフィクション。
田舎暮らしにあこがれる人は一読の書です。

本書が描かれた年代は70年代から80年代ですが、いまも大きくは変わっていないのでは。
本書を読むと、農協によって農業がズタズタにされていく様子が伺える。

う~ん、農村も都市も問題だらけですね。
家族、コミュニティのあり方を真剣に考えていかないと日本は駄目になってしまう。

春の嵐と羆嵐2010/02/11 12:11

吉村昭『羆嵐』新潮文庫

マタギがマイブームになっており、その流でこの本にたどり着いた。
吉村昭の著書はこれが初めてになる。

多くの登場人物が出るのだが、氏名がなかなか出てこない。
文体はちょっと重く暗い感じがしたが、これはその時代にあわせてそうなっているのだろうか。

さて、お話は大正末期。
北海道の開拓村を舞台に展開する。
やっと切り開いた土地に突如、羆が現れ村は大パニックに陥る。
熊をしとめるために様々な手が打たれていく。
警察や軍隊の出動が検討される中、最後に登場するのは、熊打ち名人の銀四郎。これまで100頭以上の熊を仕留めてきた名人だ。

物語は人々の苦悩を描きながらもテンポ良く進んでいく。

北海道旅行に行きたい方にお薦めの一冊です。

珈琲の事典は面白い2010/02/13 12:28

田口護 監修『コーヒーの事典』成美堂出版

コーヒーの様々な情報が満載の一冊。
豆の特徴、産地、焙煎方法から美味しいコーヒーの入れ方、コーヒーを使ったカクテルやスイーツまで広く学べます。

美味しいコーヒーを飲みたいと思っている方にお薦めの一冊です。

漂泊の牙で漂白された心2010/02/14 00:09

熊谷達也『漂泊の牙』集英社文庫

いや~、面白すぎ。
一気に読み入ってしまいました。

東北を舞台に、ニホンオオカミを題材として物語が進んでいきます。
サスペンス、推理小説の要素もふんだんですが、山の中をマタギ並に駆け抜ける、アニマルトラッカーは凄いです。

雪の山々が目に浮かんできます。

本書は、第19回新田次郎文学賞を受賞した作品だそうですが、納得です。
熊谷達也、ますますはまりそうです。

山書の森を彷徨いたい。2010/02/14 10:55

横山厚夫『山書の森へ-山の本-発見と探検』山と渓谷社

山岳書籍を紹介しながら綴られるエッセイ。
今では古典とされているような書籍が沢山紹介されています。
また、山岳映画などにも触れられていて、是非、読んでみたいと思う本が沢山でてきます。

身近な山について描かれた書籍も沢山あり、一読して山に登ると登山の楽しみも広がるのではと思います。

山岳映画も出てきますが、DVDになっているのか検索してみたいと思います。

日本100名山に挑戦している人、是非、一読をお薦めします。
自分なりの100名山を見付けるのも楽しいかと思います。

狩猟サバイバル、凄すぎる!!!2010/02/14 17:32

服部文祥『狩猟サバイバル』みすず書房

サバイバル登山家、服部文祥の3冊目の本。
渓流釣りから、猟銃を持った冬季サバイバル登山に幅が広がっている。

鹿を撃ちながら、冬の南アルプスを登っていく。
現代のマタギのような感じだ。

前書でも触れられていたが、生きること、食べることについて考えさせられる一冊だった。
狩って、殺して、さばいて、食べる。
生きるための普通の行為でありながら、社会では見ることができない行為。

もう一度、食べる、生きるということを考えてみたい。

相剋の森で葛藤する2010/02/20 15:07

熊谷達也『相剋の森』集英社文庫

いや~、とても面白く一気に引き込まれてしまった。
『邂逅の森』と話が交わる部分もあり、『邂逅の森』を先に読んで両方を読むのがお薦めです。

時代は現代、マタギの取材をする編集者の視点から、マタギ文化や自然保護が語られていく。
最後の山巻きは臨場感があり、とても良かった。

東北旅行をしたい人にお薦めの一冊です。

白い牙と黄色い金属2010/02/27 10:45

ロンドン(深町眞理子 訳)『白い牙』光文社古典新訳文庫

白い牙って、夏休みの必読書か何かで昔、昔に読んだことがあるはずだが、ストーリーもすっかり忘れていた。

本屋さんで「新訳文庫」なるものを見付けて、また読んでみようかと思い手にした。

同じく、昔、『少年ジャンプ』に連載されていた『銀牙』という犬の漫画があったことを思い出した。
読んだのはそのときのころかもしれなし。

4分の1犬の血を引く、ホワイトファング、彼の成長を追っていくストーリーです。
アラスカの大地での活躍がとても良かった。
その後、人間に飼いならされていくのだが、野生の誇りを忘れない姿が良かったです。

犬を飼いたい方にお薦めの一冊。

迎え火の真実。2010/02/28 14:04

熊谷達也『迎え火の山』講談社文庫

熊谷達也の伝記ホラー小説。
これまで読んだ『邂逅の森』『相剋の森』『ウェンカムイの爪』などとは異色の作品だ。

舞台は東北地方であるが、ストリーは内田康夫シリーズのように歴史と現代とがつながっていく。

主人公工藤が活躍する続編が出たら面白いかなと思います。

山登りをしているときに、ふっと冷たい空気を感じることがある。
単独登山がちょっと怖くなりそうな一冊です。


山で不思議な体験をした人にお薦めの一冊です。