ヤマトホウリツ2011/01/31 22:09

横手康史『登山の法律学』東京新聞出版局

遭難や事故、引率登山やリーダーの役割など様々なケースにおいて、法的な責任や倍賞責任がどうなるのかを解説した書。

最近は、『連れて行ってもらう』という意識が高い中、多くの登山者に本書を読んで、自己判断、自己責任を考えて欲しいと思います。

山の軍曹、鬼軍曹2011/01/23 10:05

木下寿男『山の軍曹カールを駆ける』山と渓谷社

木曽山脈の千畳敷で半生を過ごしてきた木下さんの記録。

小屋を建てるに至った経緯、ロープウェイができるまでの苦労、そして何より、観光地となってしまった千畳敷での遭難対策や、無謀登山者の実態などが率直に述べられている。

山をやる人は、是非、自分がそんな登山者になっていないか確認してみる必要があるのでは。

クライマー2011/01/22 09:24

高野亮『クライマー』随想舎

天才クライマー吉尾弘の半生を追った本。

この時代の初登攀争いなどの中で、どのようにアルピニズムを追いかけてきたのかが良くわかる。
また、その後の登山の発展への尽力など、同時代のクライマーの中でも吉尾は一頭地抜き出ている。

面白い一冊です。

嗚呼、南壁。2011/01/17 18:48

藤木高嶺『ああ南壁 -第2次RCCエベレスト登攀記』中公文庫

第2次RCC隊のエベレスト南西壁登山隊の記録

著書はRCC創立者藤木九三氏の子息で、同隊に朝日新聞特派隊員として参加した藤木高嶺氏。
これまで中公文庫で、加藤保男、長谷川恒夫、森田勝氏らの書いた本を読んできたが、新聞記者の視点から書かれた本書も面白い。

嗚呼、単独行。2011/01/12 22:15

加藤文太郎『新編 単独行』ヤマケイ文庫

新田次郎の『孤高の人』で有名な加藤文太郎の書。
単独行者として、新田次郎作品のイメージが強すぎたせいか、だいぶ印象が違った。

冬期単独登山で様々な記録を残してきた人だが、個人的には松濤明の方が好きです。

ある、アルパインクライミング2011/01/04 09:10

菊池敏之『最新アルパインクライミング』東京新聞出版局

『最新クライミング技術』の出版から4年を経ての続編bとの位置づけ。
クラックやナチュラルプロテクション、単独登攀などに関する技術が良くわかる。

凍てる岩肌の温もりはいかほどか。2010/12/21 21:54

小西政継『凍てる岩肌に魅せられて』中公文庫

鉄人、小西政継の中公文庫4冊目の作品

彼の半生が凝縮された一冊。
これを学生時代に読んでいたら、私の山人生も違っていたかも知れない。
己に強く生きる山男の生き様が清々しいです。

憎悪の依頼は文字のない初登攀だった。2010/12/19 09:42

松本清張『憎悪の依頼』新潮文庫

松本清張の短編集。
この中に収録されている『文字のない初登攀』を読みたいがために購入した。

『文字のない初登攀』は単独で初登攀を成し遂げたものの、写真等の記録がなく、周りからバッシングされていく主人公を描いたもの。
短くて読みやすいので一読しても良いのかなとは思います。

【収録作】
 憎悪の依頼
 美の虚像
 すずらん
 女囚
 文字のない初登攀
 絵葉書の少女
 大臣の恋
 金環食
 流れの中に
 壁の青草

最新クライミング技術で登りまくりたい!!2010/12/19 09:38

菊池敏之『最新クライミング技術』東京新聞出版局

クライミングの道具から、使い方、登山に対する考え方などまで広く網羅した一冊。
インドアジムが増えており、フリークライミングが再びブームとなっているが、フリーをこれから始める人にもお薦めの一冊です。

昔習った方法が今では使われなくなっているなどもあり、経験者も一読の価値があります。

続・生と死の分岐点2010/12/11 14:41

ピット・シューベルト『続・生と死の分岐点』山と渓谷社

山と渓谷社の『ドキュメント遭難』シリーズよりもよりも、多くの具体的な事例を挙げながら登山における安全対策が述べられている。
日本では見ることの無いショッキングな写真などもあり、登山・登攀での安全に対する意識を変えてくれる一冊だと思う。