ヒマラヤ初登頂の物語は、ロマンがあった。2010/09/05 09:37

岡本まさあき、上村信太郎『ヒマラヤ初登頂物語』山と渓谷社

1990年代に発売された山岳漫画の復刻版

アンナプルナ、エベレスト、マナスルの初登頂の物語が漫画で語られる。
また、それぞれの山の歴史の解説などが付いていて登山史を学ぶことができる。

この本が出版されてから20年の歳月が経っているが登山を取り巻く状況は大きく変わってしまっている。
「未踏峰」の時代には大きなロマンがあった。
いまは、ツアーで世界中どこでもいける時代になってしまった。

マッキンリーに死す!!2010/09/05 20:29

長尾三郎『マッキンリーに死す-植村直己の栄光と修羅』講談社文庫

長尾三郎の『死す』三部作の一つ。

植村直己の生涯を追ったドキュメンタリー。
初めてこの本を読んだのは大学1年のときだった。

日本人で初めてのエベレストサミッターであり、世界で最初の五大陸最高峰制覇者。
すべての冒険を成功させてきた植村だが、冬のエベレストや南極大陸横断から失敗が続く。

そして、厳冬期のマッキンリー単独登山に挑戦する。
43歳の誕生日に登頂に成功するも、そこから消息を絶ってしまった。
世界の人々に愛されて来た植村の半生、素顔が良くわかる一冊。

86年講談社ノンフィクション賞受賞作です。

エベレストに死す!!2010/09/05 20:34

長尾三郎『エベレストに死す-天才クライマー加藤保男』講談社文庫

長尾三郎の『死す』三部作の一つ。

エベレストサミッター三冠王の加藤保男の生涯を追ったドキュメンタリー。
大学1年のときに、この「死す」三部作を読んで大きな衝撃を受けたことを覚えている。

加藤保男は世界で初めてエベレストを南北から登頂し、さらに厳冬期に単独登頂を果たし三冠王を手中にする。

3度共に、山頂近くで前人未踏のビバークを行う。
しかし、3度目は無事に戻ることが無かった。

33歳という若さでエベレストに永眠した加藤の人柄、生き様が活き活きと書かれたドキュメンタリーです。

彼方の山へ2010/09/07 23:19

谷甲州『彼方の山へ』中公文庫

谷甲州のエッセイ。
中公文庫にはそうそうたる山岳シリーズがあるが、谷甲州もここに加わった。
彼の小説とは違う青春登山記だ。

青年海外協力隊に参加してのネパールでの活動からクン峰への登山など、彼の小説の背景がうかがえる一冊。

精鋭たちの挽歌2010/09/11 23:24

長尾三郎『精鋭たちの挽歌』山と渓谷社

副題として「運命のエベレスト 1983年10月8日」と付けられている。
エベレスト登頂に挑んだ日本の2つのパーティー。山岳同志会とカモシカイエティ同人。
片や登頂を果たすが、一方は遭難してしまう。

それぞれのパーティーの半生を追いかけながら運命の日に逼る、長尾三郎の渾身の一冊だ。

雪煙をめざして2010/09/11 23:28

加藤保男『雪煙をめざして』中公文庫

日本人として初めてエベレストをチベット、ネパールと両国から登頂した加藤保男のエッセイ。

エベレストに至るまでの道程が興味深い。
三度目のエベレストに向かう直前に書かれたもので、彼の登山人生が凝縮されている。

果てしなき山行2010/09/21 23:33

尾崎隆『果てしなき山行』中公文庫

登山家尾崎隆の青春登攀記。
日本を代表するクライマーの海外登攀が記されている。

成功のみならず、失敗体験はとても参考になる。

幻想のヒマラヤ2010/09/27 07:30

村井葵『幻想のヒマラヤ』中公文庫

未踏峰のローツェシャールへの遠征で起こった遭難劇。
救助活動の後に著者も意識不明に陥ってしまう。

登山活動から遭難、復活までの活動録。

高所登山の実態が余すところ無く記されている一冊。

岩壁よおはよう2010/09/30 07:33

長谷川恒男『岩壁よ おはよう』中公文庫

冬季アルプス三大北壁の単独登攀を達成した長谷川恒男の自伝。
15歳から26歳までの青春の記録が清々しい。