赤いヤッケの男2010/11/09 09:18

安曇潤平『赤いヤッケの男』MFダヴィンチ文庫

安曇潤平が文庫ででた。
短編のちょっと怖いお話が盛りだくさんです。

【収録作】
 八号道標
 アタックザック
 赤いヤッケの男
 山小屋の掟
 孔雀
 急行アルプス
 鏡
 究極の美食
 笑う登山者
 追悼山行
 J岳駐車場
 カラビナ
 もう一人の客
 鎌策婆
 ザクロ
 残雪のK沢岳
 ハーケンは歌わない
 クライマーズ・センス
 荒峰旅館
 銀のライター
 防風屋夜
 ゾンデ
 N岳の夜
 霧の梯子
 猿ぼぼ
 牧美温泉

死のクレバスで、クレパス2009/11/02 23:37

J.シンプソン、中村輝子(訳)『死のクレバス-アンデス氷壁の遭難』岩波現代文庫

ペルーアンデスの未踏峰登山に挑んだ二人。
無事に初登頂を果たすが・・・・

下山時に一人が骨折。
6,000m級の氷と雪の世界での脱出行が繰り広げられる。
氷に口をあけるクレバス、容赦なく吹き付ける風雪。

これがノンフィクションであることが信じられなかった。

壮絶な生への執着が、ジョーを助けたのだと思う。

低山でも、こんな状況に陥ったら諦めてしまうだろう。

登山をする人にお薦めの一冊です。

日系人の歴史をもっと知ろう2009/04/06 22:57

高橋幸春『日系人の歴史を知ろう』岩波ジュニア新書

明治元年の日系移民から、ブラジルでの一世、二世の生活、そしてなぜいま、日本の日系人子弟の出稼ぎが多いのか、とてもわかりやすく歴史が記されている。

派遣切りがニュースになっているが、一番真っ先に切られてしまうのが外国人労働者や日系人ではないだろうか。

なぜ、自分たちの祖先が海を渡って日系人となったのか、出稼ぎで出かけた日本人が移住者となってしまったのか。

こんな不景気な時代、外国では保護主義に舵を切った国もある。
ここで、日本が排他的になってはいけない。

多くの人に読んで欲しい一冊です。

Golpe de Estadio2008/04/07 22:59

この間書いた映画と同じコロンビア人監督、Sergio Cabrera監督のGolpe de Estadioを見た。

1998年の作でPremio Goyaの最優秀外国作品にノミネートされたものだ。

全編コメディでコロンビアが直面するゲリラ問題とサッカーW杯予選とが重なって話が進んでいく。
映画の中では、コロンビアがアルゼンチンに5-0で勝った伝説の試合のゴールシーンも出てくる。

今まで見たコロンビア映画では、この作品が一番好きです。

Golpe de Estadoはクーデターとの意味ですが、映画の題名もEstadio(サッカーコート)と掛けられています。

21世紀の社会主義革命-ベネズエラの将来2007/06/03 21:19

高騰する原油の財力を背景に資金、原油価格の優遇で中南米諸国の左傾化を支援するヴェネズエラのチャベス政権。

標榜するところは「21世紀の社会主義革命」だ。
しかし、実際の政策は貧困層へのばら撒き政策でとても社会主義政策にはなっていないのではないだろうか。
また、大地主などから土地を接収し貧農に分け与えることでこれまで市場に流通していた国内産の野菜や肉類が生産されず、慢性的な食糧不足に陥っている。

世界では省エネ技術やバイオ燃料の開発が進んでおり、石油需要が相対的に減っていくと原油価格は下がっていくのではないか。

そうなったときに、ヴェネズエラの経済はどのようになっていくのか。想像に難くない。
隣国のコロンビアに大量にヴェネズエラ避難民が入ってこないことを望む。

噂では、チャベス政権はコロンビア革命軍(FARC)に対しても援助をしているとのことだ。

本当に21世紀の社会主義を達成するのであれば、世界で唯一成功した日本の社会主義体制を学べばよい。
累進課税を進め、税制面から貧富の差を減らしていくのが良いのではないか。

今は格差社会に向かっている日本。早いうちに日本に協力を求めるべきだろう。

熱中時間2007/02/04 12:00

NHKワールドで、「熱中時間」という番組を見た。 俳優の藤岡弘がコーヒーに熱中しており、茶の湯とコーヒーを交えたのみ方を披露していた。 生豆を自分で炒って、挽いて、茶器に入れて茶筅で点てていた。 「和洋折衷」といっていたが、この飲み方はまさに、日本とコロンビアの融和になるのではないかと思う。 是非、コロンビアでもこの茶の湯とコーヒーの融合を試してみたい。

混迷化する世界情勢2007/01/16 12:45

2006年の選挙イヤーを終えた中南米
先週はニカラグア、ベネズエラで大統領就任式が行われた。
1月15日、今日はエクアドルでCorrea大統領の就任式が終わり、就任式も一通り終えたことになる。

現在、中南米は米国主導で進められた新自由主義への反動から左翼政権化してしまった。
その中で、コロンビアのみが新米政権となっており、域内でも浮いてしまっている。
隣のベネズエラでは、社会主義革命を標榜するチャベスが永年大統領を目指している。
通信や石油会社等を次々に国営化しているが、今後はどのようになっていくのだろう。

一方、中東では米国がイラク派遣兵を2万人増強することとなった。
対イラク戦争のためだとの表向きの理由だ。
都市ゲリラへの対応になぜ空母が2艘も必要なのだろう。

イスラエルがイランの各施設を攻撃するとの情報もあり、また米国はソマリアなどでも軍事侵攻している。
2007年は中東でも大きな戦争が起きそうな予感がする。
米国・イスラエルがイランに攻め込めば、周辺国や反米勢力も呼応することになり、収集が着かない状況になるのではないだろうか。

2007年はますます世界は混迷していきそうだ。

ピノチェット死亡2006/12/10 22:57

チリのピノチェット将軍が亡くなった。

軍事政権を引いて、一時代を築いた老将も歳にはかなわなかった。
軍事独裁政権時代にはいろいろなことが起こり、いまだに真実究明が行われているが、これで多くは闇の中に消えてしまうのではないだろうか。
チリではいまでも、彼を支持する人が多い。
現在、中南米の中でチリは優等生であるが、この基礎を作ったのは間違いなくAugsto Pinochetだと思う。

HP作成2006/12/09 09:44

Tabioのレストラン
最近、週末の時間を掛けてHPを大幅に更新した。
日本にいたときに購入した書籍を持ってこなかったので、Webでいろいろと検索しながらだが、既存のTemplateなどを活用し、なかなか良いものができたのではないかと思う。

写真の公開では、アウトドア関係はCannonのImage Gatewayを使っていて、中南米の写真はInfoseekを使っていた。
Infoseekがサービス終了になってしまうので、新たにPhoto Highwayの無料サービスを利用することとした。

多くの人に楽しんでもらえる役立つHPにしていきたい。

写真はBogota市北部のTabioにあるレストランです。

コロンビアのお花2006/08/15 12:31

また、職場のメルマガに投稿しましたので、掲載します。
ちなみに、管理人の私は6月に名古屋から転勤になり、現在はコロンビアにおります。


 華やかなお花の国 コロンビア
         ………‥‥‥・・・・・・‥‥‥………
  皆さんは日本でも大ブレイク中のロック歌手、フアネス(Juanes)をご存知ですか?
  今回は、フアネスの生まれ故郷でもあるコロンビアについてご紹介します。
  日本にいると誘拐や麻薬、テロやゲリラといった暗いニュースしか
  入ってきませんが、訪れてみるとそのギャップに驚くことと思います。

  コロンビアは、南米大陸の北西に位置し南米の国で唯一、太平洋とカリブ海の二つの海を有していますし、アマゾンの熱帯雨林から万年雪を頂く
  アンデスの山々までその自然は変化に富み、またそこに棲息する動植物の数もとても豊かな国です。
  農業はコロンビアの主要産業の1つで、皆さんもコロンビアコーヒーを飲んだことがあるのではないでしょうか。某メーカーのエメラルド・マウンテンはコロンビアを代表するコーヒーにもう1つの特産品であるエメラルドを冠しています。
  コーヒーと共にコロンビアを代表する輸出作物が切花です。
  あまり知られていませんが、現在ではオランダに次いで世界第2位の切花輸出国で、多くはアメリカやヨーロッパに輸出されています。輸出市場の14.1%(ILO;The world cut flower industry: Trends and prospects)を占めていて第3位のイスラエル(4.2%)を大きく離しています。
  日本でも国内で販売されている輸入カーネーションはコロンビア産で、
  輸入カーネーションの7割近くを占めています。
  何でも、アンデスの高地で栽培されているコロンビアの切花は茎がしっかりしていて日持ちが良いとの理由で、北米やヨーロッパでは人気が高いようです。

  この首都ボゴタも緑が多く、路地や山間地で多くの花を見ることができます。
  ボゴタは標高が2,600mあり一年中、日本の春の陽気なので花が途絶えることがありません。
  先日は、ボゴタ市植物園でランの展示会が行われました。
  ランは世界に約2.5万~3万種類の品種があり、コロンビア国内だけで
  4,000種(約14%)が自生しています。
  展覧会では国内に自生する原種の展示と共に各地のランの愛好家が育てた鉢植えの品評会も行われました。会場は大盛況で3日間で1万人を越える人が楽しみました。

  日本には四季があり、折々の花を楽しむことができると思います。
  ちょっと仕事の手を休めて窓の外をのぞいて見てください。
  また、コロンビアのカーネーションを見かけたら是非、買ってみてください。
  母の日ではなくても、お母さんは喜ぶと思いますよ。