嗚呼、南壁。2011/01/17 18:48

藤木高嶺『ああ南壁 -第2次RCCエベレスト登攀記』中公文庫

第2次RCC隊のエベレスト南西壁登山隊の記録

著書はRCC創立者藤木九三氏の子息で、同隊に朝日新聞特派隊員として参加した藤木高嶺氏。
これまで中公文庫で、加藤保男、長谷川恒夫、森田勝氏らの書いた本を読んできたが、新聞記者の視点から書かれた本書も面白い。

嗚呼、単独行。2011/01/12 22:15

加藤文太郎『新編 単独行』ヤマケイ文庫

新田次郎の『孤高の人』で有名な加藤文太郎の書。
単独行者として、新田次郎作品のイメージが強すぎたせいか、だいぶ印象が違った。

冬期単独登山で様々な記録を残してきた人だが、個人的には松濤明の方が好きです。

ある、アルパインクライミング2011/01/04 09:10

菊池敏之『最新アルパインクライミング』東京新聞出版局

『最新クライミング技術』の出版から4年を経ての続編bとの位置づけ。
クラックやナチュラルプロテクション、単独登攀などに関する技術が良くわかる。

凍てる岩肌の温もりはいかほどか。2010/12/21 21:54

小西政継『凍てる岩肌に魅せられて』中公文庫

鉄人、小西政継の中公文庫4冊目の作品

彼の半生が凝縮された一冊。
これを学生時代に読んでいたら、私の山人生も違っていたかも知れない。
己に強く生きる山男の生き様が清々しいです。

憎悪の依頼は文字のない初登攀だった。2010/12/19 09:42

松本清張『憎悪の依頼』新潮文庫

松本清張の短編集。
この中に収録されている『文字のない初登攀』を読みたいがために購入した。

『文字のない初登攀』は単独で初登攀を成し遂げたものの、写真等の記録がなく、周りからバッシングされていく主人公を描いたもの。
短くて読みやすいので一読しても良いのかなとは思います。

【収録作】
 憎悪の依頼
 美の虚像
 すずらん
 女囚
 文字のない初登攀
 絵葉書の少女
 大臣の恋
 金環食
 流れの中に
 壁の青草

最新クライミング技術で登りまくりたい!!2010/12/19 09:38

菊池敏之『最新クライミング技術』東京新聞出版局

クライミングの道具から、使い方、登山に対する考え方などまで広く網羅した一冊。
インドアジムが増えており、フリークライミングが再びブームとなっているが、フリーをこれから始める人にもお薦めの一冊です。

昔習った方法が今では使われなくなっているなどもあり、経験者も一読の価値があります。

続・生と死の分岐点2010/12/11 14:41

ピット・シューベルト『続・生と死の分岐点』山と渓谷社

山と渓谷社の『ドキュメント遭難』シリーズよりもよりも、多くの具体的な事例を挙げながら登山における安全対策が述べられている。
日本では見ることの無いショッキングな写真などもあり、登山・登攀での安全に対する意識を変えてくれる一冊だと思う。

赤い雪崩2010/12/11 09:21

太田蘭三『赤い雪崩』祥伝社文庫

『脱獄山脈』の主人公、一刀猛が主人公の続編。
北アルプスで遭難しかけた女性に出会うところから物語りは始まる。
本書はより、推理小説仕立てで前作よりも山での活動が少ないですが、面白い一冊だった。

男達の十字架2010/12/09 09:22

樋口明雄『男達の十字架』ハルキ文庫

中国マフィアと新宿署の刑事。
彼らの攻防の舞台は、歌舞伎町から南アルプスへと飛ぶ。

樋口明雄の作品に登場する人物は、みんなとても魅力的です。
本書のキャラクターも際立つ人ばかり。
いつも、同じキャラでの続編が読みたくなってしまう。
また、終わり方もとても気持ちが良く大好きです。

樋口作品にはまってしまいます。

山は今日も晴天か!?2010/12/04 18:43

小西政継『山は晴天』中公文庫

マッターホルン北壁、カンチェンジュンガ北壁から青春時代の谷川岳、穂高岳などの登攀、山岳同志会での活動が綴られたエッセイ。

小西さんの山への考え方や直向な努力が滲む一冊。

奥さんとの出合と結婚までを書いた「うちのオクちゃん」も興味深い。
いきなり、滝谷へ連れて行ってしまうのは小西さんらしい。
日本、世界の登山史に名を残した氏の半生記録です。