みじょかのはにかみ2009/06/06 01:06

新田次郎『珊瑚』新潮文庫

この本は、確か学生時代に読んだ記憶がある。
しかし、どのような内容だったのかは殆ど覚えていなかった。

今回、再度読んでみて新田次郎の新たな一面を見た感じがした。

3人の男の子が、海の男として成長していくなかで、みじょか(美女)のはまが現れる。
はまと海の男たちの物語が進んでいく。

明治時代の風景が目に浮かぶような本です。

山も良いけど、海もやっぱりロマンがあります。

灰色の北壁を突き進め!!2009/06/08 22:25

真保裕一『灰色の北壁』講談社文庫

『ホワイトアウト』の著者、真保さんの山岳短編集。
ホワイトアウトは映画で見たことがあったが、書籍はこれが初めてだった。

本書には3編が収録されているが、どれもミステリ要素が強く、新田次郎とはまた、違った味わいがあり面白かった。

収録作の中では、『黒部の羆』が好きだ。
あ~、山へ行きたい。

収録作
 黒部の羆
 灰色の北壁
 雪の慰霊碑

孤高の人は凄い!!2009/06/16 23:54

新田次郎『孤高の人 上下』新潮文庫

この本は、高校生のときに読んで強い衝撃を受けた一冊だった。
久しぶりに読んでみると、記憶に残っていた部分がだいぶ違っていることに気がついた。

加藤文太郎はいつでも、雪洞で寝ていたと思い込んでいたが、山小屋利用を基本としており、沈着冷静に行動をしておりだからこそ、冬山の単独行も成し遂げられた。

頭の中の記憶では、疲れたら雪の上に倒れこみ寝ていたように思ったが・・・
行動食の甘納豆はまねをしたことがあったが、お腹にたまらないので自分には向いていなかった。

それでも、新田次郎の書籍の中では好きな一冊です。

剱岳 点の記を見てきた。2009/06/21 19:10

ブログ「海軍中尉の航海日誌」に書いてしまったが、映画はこちらの「海軍中尉の独り言」に書くことにしているので、こちらにも書いておく。
ちょうど、1月に原作を読んで、本ブログに書いているが、ついに映画が封切になったので見てきた。

映画は、剱岳の四季がとてもきれいに撮影されていた。
ストーリーは、原作とはちょっと違うところもあったけれど原作を読んで見に行くともっと深く理解できて面白いのではと思います。

開国した明治期の測量士の物語ですが、やはり、明治期の日本人の底力は凄い!!
いまの日本人と同じ民族だとは思えないところがある。

ずっと、南アルプスが中心だったので剱岳はまだ登った事が無い山です。
岩ばかりの山だったけど、下のほうの紅葉はとてもきれいだった。
機会があれば、登りにいってみようと思います。

原作: 新田次郎 『剱岳<点の記>』 文春文庫
映画公式サイト:『剱岳 点の記』


tsurugi
「劔岳点の記オフィシャルガイドブック」扶桑社


アイガー北壁の気象遭難2009/06/22 23:03

新田次郎『アイガー北壁 気象遭難』新潮文庫

新田次郎の短編集
これは、高校時代には読んだ記憶がないが、読んでいたのかも知れない・・・

14の短編が収められている。
山岳小説だが、舞台は日本国内のみならず、ヨーロッパアルプスのものも収録されている。

あっという間に読めてしまうほど、面白い短編が詰まっています。

収録作
 殉職
 山の鐘
 白い壁
 気象遭難
 ホテル氷河にて
 山雲の底が動く
 万太郎谷遭難
 仏壇の風
 氷雨
 アイガー北壁
 オデットという女
 魂の窓
 涸沢山荘にて
 凍った霧の夜に

山開き、槍ヶ岳開山2009/06/25 22:12

新田次郎『槍ヶ岳開山』文春文庫

映画、『剱岳』を見て、この『槍ヶ岳』を読んだ。
どちらもはじめての登頂を目指すのだが、中身はちょっと違う。

高校生のとき、登山競技ではペーパーテストがあった。
その問題で、播隆上人の名前が確か出てきた記憶がある。

しかし、この本は読んだことが無かった。

農民が百姓一揆を経て僧侶になり、笠ヶ岳の再興、槍ヶ岳開山へ取り組んでいく、播隆上人の半生の物語です。

心に迷いがある人、自殺を考えてしまう人にお薦めの一冊です。
一心不乱にいきることが大事です。