ダンプカーが走り抜ける。2010/06/05 21:28

高橋和之『ダンプ、山を行く』中公文庫

カモシカスポーツの創業者、ダンプさんの半生を綴ったエッセイ。
山登りから商売のこと、パラグライダーまで波乱万丈の人生が綴られている。

ところどころで奥さんの今井通子さんも登場します。

こんな生き方にあこがれます。

何度でもエベレスト2010/06/05 21:34

村口徳行『四度目のエベレスト』小学館文庫

山岳カメラマンとして4度も世界最高峰に登頂した村口さんの記録。

山岳カメラマンの職務内容が良くわかります。
三浦雄一郎や野口健、渡邊玉枝との登山を行いながら、職業カメラマンとしていかに活動を行うのか。
テレビの画面には主役しか映らず、カメラマンはスポットライトの当たることの無い職業ですが、画面の裏側でどのような過酷な職務を行っているのかが伝わってくる。

是非、登頂記録を更新して欲しいです。

垂直の記録と記憶2010/06/06 11:02

山野井泰史『垂直の記憶』山と渓谷社

日本が世界に誇るトップクライマー、山野井泰史の数々の挑戦の中から7つの山を取り上げたもの。

もっともっと全ての記録を知りたいが、7つの記録だけでも普通の人にはとてもできないものばかりだい。

山野井さんの山への思い、考え方、向かい合う姿勢が良くわかる一冊です。

いま、このようなクライマーはとても少なくなっている。
引き続き、頑張って欲しい。

グランドジョラス北壁、まさに北壁の死闘!!2010/06/12 11:21

小西政継『グランドジョラス北壁』中公文庫

山岳同志会による、アルプス三大北壁の一つグランドジョラスの登攀記録。
登攀記録のみならず、グランドジョラス登攀史から始まり小西さんの研究熱心さが伝わってくる。

クライミングの記録も、大寒波に襲われながらもくじけずに少しずつルートを延ばしていく場面は凄い。
登頂を果たすも、4名で27本の指を凍傷で切断するという結果が待っている。

あとがきを植村直己が書いているのも良いです。

山は真剣勝負、遊びは一生懸命2010/06/12 11:34

山田哲哉『山は真剣勝負』東京新聞出版局

アルパインガイドの山田氏の登山哲学

安全面や精神面の向上の仕方、環境破壊など幅広く著者の考えが述べられている。
スポーツとしてのフリークライミングやアイスクライミングに対する考えも述べられているが、登山とは別物と考えればよいのでは。

個人的に森歩きが好きなので、「山頂を目指す」のみが登山ではないのではと思う。

これから山を始める人、100名山ピークハンターなどにお薦めの一冊です。

穂高を愛して二十年、穂高に行きたい!!2010/06/27 10:18

小山義治『穂高を愛して二十年』中公文庫

北穂小屋主人の小山義治が綴る、山のエッセイ。

自力で木を切り出すところからスタートする山小屋作り。
その後、弟との離別、岩壁登攀での活躍、遭難への対応、山での音楽会の開催など、いろいろなことが綴られている。

山を愛する男の行き方が鮮やかに描かれている。

読んでいて気持ちよく清々しくなる一冊。

銀嶺の人、凄すぎる。2010/06/27 10:21

新田次郎『銀嶺の人 上・下』新潮文庫

今井通子と若山美子をモデルとしたものだ。

世界有数の女性クライマーがどのように誕生していくのか、また実生活と登山とのバランス、実生活での活躍なども面白い。

今井通子は後にヒマラヤにも行くが本書では、グランドジョラス山頂で結婚式を挙げるところで終わっている。

山を目指す女性にお薦めの一冊です。

本当の奇跡だ。ミニヤコン奇跡の生還2010/06/27 10:22

松田宏也『独占手記 ミニヤコンカ奇跡の生還』山と渓谷社

市川山岳会のミニヤコンカ遠征隊での奇跡の生還を描いた手記。

通信手段を失い仲間達からは「凍死した」と判断され、見捨てられてしまう。
菅原と松田は自力下山を試みる。

だんだんと体力も消耗するなか、松田は無事に生還を果たした。

過酷な状況は『死のクレバス-アンデス氷壁の遭難』を彷彿させる。

この遭難は登山隊の体制に、問題があったように感じます

俺は何だ!?、俺は沢ヤに成れるのか!?2010/06/27 10:26

成瀬陽一『俺は沢ヤだ!』東京新聞出版局

沢の素晴しさにはまり込んでしまった男の生き様。

滝を求めて山を駆け抜ける。
時には国境すら越えて、台湾、韓国、中国と沢を求め続ける。

沢登りの楽しみ方の奥深さを思い知らされる一冊。

のんびりと山女を釣りながらの沢も好きですが・・・

アルプスの空の下で何を想う。2010/06/27 11:15

近藤等『アルプスの空の下で』中公文庫

フランス語山岳文学の翻訳家でもあるが、自らもアルピニストである近藤等の登山記録文書。

この時代の日本人の底力や風格は今の日本人からは想像も付かない。
レビュファを初めとするフランス人との人間関係があって素晴しい登攀を続けてきた。

旅の恥はかき捨てといった感じの現在の旅行者にも読んでもらいたい一冊だ。