蒼氷と神々の岩壁2009/01/03 10:49

新田次郎『蒼氷・神々の岩壁』新潮文庫

この本は、『蒼氷』『疲労凍死』『怪獣』『神々の岩壁』の4編の小説が入っている。

高校生のときに読んでいる本で有るが、殆ど覚えていなかった。
『蒼氷』は愛鷹山も出てくるのに、なぜに記憶に残っていなかったのだろうか。

この四編の中では、『蒼氷』が良かった。
『怪獣』も単独で山に行くときは、びくびくしてしまう心理がうまく書かれていると思う。

『疲労凍死』は死んだ弟の死因を解明するべく、兄が復讐劇を展開する。
結末は驚きの展開が待っている。

山を舞台とした面白い小説集です。

252-生存者あり!!2009/01/04 19:58

久しぶりに映画を見て来た。
お正月休みで空いているかなと思ったのですが・・・

一番前の席しか空いてなかった。
ちょっと遠出をしてシネコンにいったんですが、ここの設備もいまいち。
電車代を使った分、損した感じでした。

さて、映画のほうは何にしようか悩んだ挙句、「252-生存者あり」を見ることに。
久しぶりに邦画を見ました。

ハイパーレスキュー隊はカッコいいですが、物語の設定や進み方にだいぶ無理があった感じ。
エンターテイメントとしては楽しめました。

山本太郎は見るたびに良い俳優になっていく。
今後が楽しみです。

点の記、天気2009/01/10 11:34

新田次郎『剱岳<点の記>』文春文庫

新田次郎の本は、高校生のときに読みまくったが、この本は呼んだ記憶がない。

国土地理院の地形図は山に登るときにはさんざん、お世話になっていながら、それがどのように作られたのはは知らなかった。

現在は航空写真を元に作るが、明治期の地形図はすべて現地での測量を元に行われている。

本書は、明治期の測量官の仕事ぶりを記した、プロジェクトX的な本です。

これは映画化されるみたいですね。
映画も楽しみです。

ハイグレード登山技術2009/01/10 14:04

菊池敏之『ハイグレード登山技術』東京新聞出版局

アルプス3000m峰から冬山までと題して、岩場での確保技術や雪上技術などから、救助技術まで幅広く学べる一冊。

確かに、どの時点でロープを出すか、メンバーや状況を見ながら判断するには、経験値を積み上げていく必要がある。

個人的には、どこかの講習会等でさび付いてしまったロープワークのリフレッシュをしたいがなかなか時間もとれないし、どうしたものか・・・・

雪山に登りたくなってしまった・・・・

これから登山を始めようという人やツアーに参加している登山客の方々にもしっかりと読んで欲しい一冊です。

縦走路2009/01/11 20:54

新田次郎『縦走路』新潮文庫

二人の山男と、二人の女が繰り広げるラブロマンス。
そこに山の掟がからむ。

いまも、登山がはやっているが今では、山の掟や女流登山家に美人はいないなどは言われなくなっているのでは無いか。

いまでは、団体ツアーで100名山をめぐる登山客もいて山も様変わりしたものだ。
おかげで、100名山に入っていない山は静かな登山が楽しめる。

しかし、厳しい冬山や岩壁はやはりそれなりの人しか入れない場所であり、冬の八ヶ岳もこの小説が書かれた昭和37年頃と大きな変化は無いのではとおもう。

山の描写から当時の様子がうかがい知れる点も面白かった。

女性登山者にお薦めの一冊かな・・・

ワンバーバー簡単クッキング2009/01/12 18:41

斉藤正喜『シェルパ斉藤のワンバーナー簡単クッキング』枻文庫

バックパッキングを想定した、ワンバーナーでできる簡単レシピの本
調味料などは登山ではちょっと持っていくのが難しいかなと思われるものも入っていたが、山でも応用できそうなメニューがたくさん掲載されている。

お茶漬けのもとを使ったパスタ、これを素麺でやったことがありますが、なかなかおいしかった。

普段とは違った使い方、組み合わせで驚くようなおいしいメニューができるので、これからもいろいろとチャレンジしてみたい。

登山だけでなく、キャンプもたくさん行きたいな。

気象遭難2009/01/14 22:20

羽根田治『ドキュメント 気象遭難』山と渓谷社

気象を要因とする遭難事例を取り上げ、どのような中で遭難が発生したのかを検証している本。

この本は、滑落遭難や道迷い遭難などシリーズとなっている。
中高年の登山者が多い中、大丈夫かなとかヒヤッとすることもある。
他山の石とせず自分も気をつけて行きたい。

100名山を目指している方々一読の本です。
原因がわかれば予防もできます。

滑落遭難2009/01/17 12:12

羽根田治『ドキュメント 滑落遭難』山と渓谷社

前回の『気象遭難』の続編
今回は、滑落遭難のケースを取り上げ、なぜ事故が起きたのか、事故発生後にどのような行動をとったのかが取り上げられている。

自分も冬山で何でも無いような場所でアイゼンを引っ掛け危うく、滑落しそうになったことがある。
また、道迷いも、単独行、人が少ないルートが好きなので「おやぁ、間違えたかな」と思うことは多々ある。
この辺も状況判断如何によっては、道迷い遭難、滑落遭難につながってしまう。

これら事故のケースを学び、自分ならどうするかをシミュレートを繰り返すことで、実際に事故発生時の対応につながってくると思う。
訓練、反復練習が必要だ。

登山をするすべての人にお薦めの一冊です。

強力伝・孤島2009/01/20 22:38

新田次郎『強力伝・孤島』新潮文庫

新田次郎の直木賞受賞作「強力伝」をはじめとする初期の短編集。
山岳小説や歴史小説を書いてきた氏にしては珍しいテーマの短編も収められている。

個人的には「凍傷」と「孤島」が良かった。
昔、読んだ本なのに殆どのストーリーを覚えていないのは歳のせいだろうか・・・

収録作品
 強力伝
 八甲田山
 凍傷
 おとし穴
 山犬物語
 孤島

道迷い遭難2009/01/23 21:48

羽根田治『ドキュメント 道迷い遭難』山と渓谷社

これまで読んできた遭難シリーズの道迷い偏
自分も何度か、道迷いの経験があるがすぐに戻ることができるのか、その時々の体調や考えに左右される。

「迷ったら沢に入るな」「来た道を戻れ」は常識だが、冷静にその判断ができるか、やはり何度も経験をつんでいく必要があるだろう。

地図やコンパスを持たずに山に入るのは論外だが、場所によっては判りにくい登山道もある。やはり、冷静な判断と読図力が必要だ。